環境にやさしい「カーボンニュートラルな薪」とはどんな薪？？

近年、地球温暖化の影響により、台風の大型化やゲリラ豪雨等の自然災害が頻発していることもあり、環境問題への興味関心が世界的に高まっています。

２０１５年に国連サミットで採択された、２０３０年までに持続可能でより良い世界を目指す目標「SDGs（持続可能な開発目標）」も多くの人に知られるところとなり、温室効果ガス排出抑制のためのさまざまな取り組みが始まっています。

そこで、今回は、２０５０年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを宣言した政府発表にもある「カーボンニュートラル」とはどんなものなのかを解説していきたいと思います。

「排出を全体としてゼロ」＝カーボンニュートラル

人間が人間として生活していくために、温室効果ガスを全く排出しない「排出ゼロ」とすることは難しいです。そこで、人為的に排出した温室効果ガスを樹木などに吸収させて、排出量ー吸収量がゼロとなるようにしていこうとする考え方が、「排出を全体としてゼロ」とする「カーボンニュートラル」です。

植物は光合成によって大気中のCO2を吸収し、炭素を体内に固定化します。枯れたり燃えたりして植物がなくなると、固定化された炭素は大気中に排出されます。排出されずに土中に残ったものが長い年月をかけて石炭や石油になります。

山から伐り出される木を薪として燃やすとCO2が発生しますが、このCO2は木が成長過程で吸収してきたものであり、大気と木との間を循環しているだけです。木の伐採後にきちんと植林をすれば、新たに植えられた木の成長過程で再びCO2は吸収されることになります。

このサイクルを繰り返す限り、二酸化炭素の排出と吸収が差し引きゼロで排出量が増えない。というのが「カーボンニュートラル」の考え方です。

※他のエネルギー同様、薪も輸送や製造時に二酸化炭素の排出はありますが、海外からではなく国内輸送、チェーンソーや薪割り機で使用される排気量の少ないエンジンでの製造なので、その他のエネルギーと比較すると全体的に二酸化炭素排出量の少ないエネルギーです。

現在の日本では諸外国とは異なり、木を切らないことが問題となっています。（→森林放置という環境問題）

ですから、山林や里山の整備で木を切っていくことは、森林放置という環境問題の解決に向けた大切な事業ではあります。そして、切った木を無駄にせず、薪として有効活用することもとても大切な事業ではあります。

しかしながら、木を切りっぱなしでは、CO2を排出するだけで吸収が伴わず、カーボンニュートラルとはなりません。
また、成長期の若木はCO2をたくさん吸収しますが、成熟期に入った木はCO2の吸収能力が低下してしまいます。成長した木を切らずに放置することもカーボンニュートラルとはなりません。

カーボンニュートラル実現のためには、切った後、きちんと植林をし、そして定期的に手入れを行い、伐期がきたら切り、また植林をする。この「循環」と「循環の持続」がとても大切です。

残念ながら現状では、カーボンニュートラルを謳っていても、植林を伴わず切るだけで生産される「カーボンニュートラルではない薪」が多く流通しています。

私たちは林業事業者として、「植える」「育てる」「伐る」「活用する」という森の循環と、その循環を持続可能なものとするための様々な取り組みを行なっています。

また、植林をきちんと行なっているなど、一定の基準を満たす林業事業者として、「→秋田県意欲と能力のある林業経営者」に登録されています。

このように「植える」「育てる」「伐る」「活用する」というサイクルをきちんと回す林業事業者だからこそ、カーボンニュートラルな薪が作れるのです。

※「秋田県意欲と能力のある林業経営者」とは、森林経営管理制度において、市町村から経営管理実施権の設定を受けることを希望するとともに、生産性の向上、再造林の実施、林業従事者の雇用管理の改善などに関する一定の基準を満たす林業経営者のことです。

私たちがつくる「カーボンニュートラルな薪」をご購入いただくと、結果的に温室効果ガス抑制に貢献するだけでなく、持続可能な林業への支援にもなり、以下のようなさまざまなSDGsの目標への貢献につながっていきます。

・全てに人に健康と福祉を

・エネルギーをみんなに　そしてクリーンに

・働きがいも経済成長も

・住み続けられるまちづくりを

・気候変動に具体的な対策を

・海の豊かさを守ろう

・陸の豊かさも守ろう

そして、こうした社会への貢献だけでなく、ご購入いただいたお客さまが「炎を眺める豊かな時間を過ごす」という価値を得られるよう、しっかり乾燥された、火付きがよく爆ぜづらい、安全で扱いやすい価値ある薪をお届けしております。

ぜひ一度、私たちが手作りしている高品質なカーボンニュートラルな薪をお試しください。